交通事故の慰謝料は入院・手術で増額する?相場や計算方法の基本と例外

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入院・手術で慰謝料が増額する 慰謝料

新たに改正民法が施行されました。交通事故の損害賠償請求権に関するルールに変更があります。

「手術や入院した辛さは慰謝料に反映される?」
「慰謝料が増額するならどのくらい上がる?」

交通事故のケガで手術や入院することになると治療費だけでも高額になるのか不安になると思いますし、何よりも辛い思いをたくさんされるでしょう。

交通事故で被害者が受けた肉体的・精神的な辛さに対しては、適切な金額の慰謝料を得る権利がありますが、保険会社は低い金額しか提示してこないことが予想されます。正当で妥当な慰謝料を得るために知っておいてもらいたいポイントを解説していきます。

本記事では手術で入院をされた方を主に対象として進めていきますが、手術や入院がない方でも増額のヒントが得られると思います。参考にご覧ください。

交通事故の慰謝料相場|基本と例外の増額事由

基本|入院や手術の有無で慰謝料は決まらない

交通事故でケガをすると、事故の相手方に「入通院慰謝料」という慰謝料を請求することができます。

手術で入院すると痛い思いをすることが予想されます。そのため、手術のない入院よりも慰謝料が増額されるイメージがあるかもしれませんが、単純な手術の有無だけで慰謝料が増額するとはいえません。

手術した場合であろうとなかろうと、基本的には入院と通院でかかった「治療期間」に応じて慰謝料の相場が決まっています。まずは、この基本をおさえておく必要があるでしょう。

ただし、事情によっては慰謝料の増額事由に該当する入院や手術も例外的に存在します。後ほど詳しく解説しますので、慰謝料の増額ケースもあることを念頭に置きながら、まずは基本の入通院慰謝料相場を確認していきましょう。

早見表(1)基本の入通院慰謝料相場

入通院慰謝料は、入院と通院でかかった治療期間の合計で計算されますが、ここでは入院期間に焦点をあてて慰謝料相場を早見表にしています。入院期間に対してどのくらいの入通院慰謝料が金額として妥当なのか確認してみましょう。

入院における基本の入院慰謝料相場(万円)

入院月数慰謝料相場任意保険基準との差額
1月53+27.8
2月101+50.6
3月145+69.4
4月184+88.2
5月217+103.6
6月244+115.5
7月266+124.9
8月284+131.5
9月297+134.5
10月306+135.9
11月314+136.3
12月321+137
13月328+139
14月334+141.2

早見表は入院月数に対する慰謝料の金額になっているので、ご自身のケースでもう少し具体的な金額を知りたいという方はこちらの慰謝料計算機をお使いください。

早見表や計算機で表示される慰謝料相場は、交通事故の被害者が本来、得られるであろう目安の金額になっています。保険会社が提示する金額はこの慰謝料相場よりも低額である可能性が非常に高いです。すでに保険会社から示談金の提示を受けているという方は金額が正しいかどうか確認してみるようにしましょう。

保険会社の提示額が低いと感じた方は、弁護士に一度、相談してみることをおすすめします。被害者本人でいくら頑張って交渉しても、保険会社から相場水準の慰謝料を支払ってもらうことはむずかしいです。保険会社との示談交渉に弁護士が間に入ることで、慰謝料が増額する可能性が高まります。

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例外|増額事由に該当する入院や手術は慰謝料増額

ここまでで紹介した入通院慰謝料の相場は、あくまで一般的な水準にすぎません。「ケガの部位・程度が重傷事例」、「個別の事情」に応じて増額事由に該当すると判断されれば、一般的な相場よりも増額して慰謝料が認められることがあります。

ケガの部位・程度が重傷事例の増額事由に該当すると認められれば、基本の入通院慰謝料相場から20~30%増額する可能性があります。さらに、以下のような個別の事情に応じた増額事由に該当すると認められれば、治療期間に関係なく別途慰謝料の増額が考慮されることになるでしょう。

個別の事情

  • 生死が危ぶまれる状態が継続した
  • 手術による極度の苦痛を受けた
  • 手術を何度も繰り返し受けた
  • 妊婦が胎児を流産・中絶した

それでは、個別の事情についてひとつずつ詳しく見ていきましょう。

生死が危ぶまれる状態が継続した

交通事故で負うケガは、頭部を激しく打ち受けて意識不明になったり、内臓破裂や複数の骨折を負う等して生死の境をさまようケースも少なくありません。

このように生死が危ぶまれる状態が継続した場合、慰謝料の増額が別途、認められる可能性があります。(関連記事:『交通事故で脳挫傷に。対応の流れと症状や後遺症・慰謝料をまとめて解説』)

手術による極度の苦痛を受けた

麻酔を用いずに手術を受けた1回で終わらず何度も手術を受けた等、手術によって極度の苦痛を受けたと認定される場合は、慰謝料の増額が別途、認められる可能性があります。

将来的に手術を何度も受ける予定がある

交通事故で重傷を負うと、治療の目途がたって通院が一旦終わったと思っても、手術を再び受けなければならない状況も考えられます。しかし、一度でも示談が成立してしまうと、示談後にかかった治療費や慰謝料を後から請求することはできません。

将来的に手術を何度も受ける予定がある場合は、慰謝料が増額する可能性があります。

妊婦が胎児を流産・中絶した

交通事故の衝撃で妊婦が胎児を流産・死産したり、ケガを治療する過程で中絶を選択せざるを得ないような場合、母体である母親の傷害として扱われます。このような場合、母親が被った精神的苦痛に対する慰謝料が増額される可能性が高いです。

法律上、胎児は母親の一部であると解釈されており、生まれていない胎児に対する慰謝料は請求できません。父親に対する慰謝料が認められるかどうかは、実務上でも争いがみられるので、法律の専門家である弁護士に一度、相談した方がいいでしょう。

早見表(2)増額事例の入通院慰謝料相場

ケガの部位・程度が重傷事例の増額事由に該当すると認められ、基本の入通院慰謝料相場から20~30%増額した場合の相場を早見表にまとめました。ここでも入院期間に焦点をあてた慰謝料相場になっています。

入院における増額後の入院慰謝料相場(万円)

入院月数慰謝料相場
1月63.6~68.9
2月121.2~131.3
3月174~188.5
4月220.8~239.2
5月260.4~282.1
6月292.8~317.2
7月319.2~345.8
8月340.8~369.2
9月356.4~386.1
10月367.2~397.8
11月376.8~408.2
12月385.2~417.3
13月393.6~426.4
14月400.8~434.2

さらに、個別の事情が認められれば別途、慰謝料増額が見込めることになるでしょう。保険会社から提示を受けた金額に疑問がある方は弁護士にご相談ください。増額の可能性があるかお話しすることができます。

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弁護士によっては、漫然と入院期間だけで慰謝料を算定して請求する場合もあります。しかし、交通事故の案件に注力する弁護士であれば、入院や手術でどのくらい辛い出来事があったのかを丁寧に聞き取り、少しでも慰謝料を増額できるように保険会社に対して交渉することができます。

どの弁護士を選ぶかによっても、最終的に手元に残る賠償金額に影響が及ぶことがあるので弁護士選びは慎重におこないましょう。(関連記事:『交通事故被害者が弁護士に相談する効果』)

アトム法律事務は、交通事故案件の知識や経験が豊富な弁護士が多数、所属しています。アトムの弁護士による相談が無料で受けられます。まずは受付窓口にお問い合わせください。窓口は24時間365日いつでも受付中です。

ポイント

交通事故で負ったケガに対する慰謝料は、治療期間に応じて相場が決められているのが基本です。ただし、ケガの部位や程度、個別の事情に応じて慰謝料が増額することもあります。ご自身のケースが増額にあたるのかは弁護士に聞いてみることをおすすめします。

慰謝料の計算方法と3つの算定基準

慰謝料を算定する3基準の違い

交通事故の被害者が本来、得られるであろう慰謝料の適正な相場は「弁護士基準」によって慰謝料が算出された場合です。弁護士基準は過去に民事裁判で出された判決にもとづいて決められていることから裁判基準とも呼ばれています。

一方、示談の相手方となる加害者が加入する任意保険会社は、慰謝料を算定する際、弁護士基準を用いることはないでしょう。任意保険会社は、弁護士基準よりも相当低い金額しか算出されない「自賠責基準」や「任意保険基準」を用いて慰謝料を算出してきます。

慰謝料を算定する3基準

  • 自賠責基準
  • 任意保険基準
  • 弁護士基準(裁判基準)

交通事故の慰謝料を算定する3基準のうち、最も高額で算出されるのは弁護士基準です。自賠責基準は3基準の中で最も低額で、任意保険基準は自賠責基準と同じくらいか、自賠責基準を少し上回る程度です。

慰謝料金額相場の3基準比較

適正相場の慰謝料を受け取るために、どのような計算を経て金額が算出されているのか知っておくことをおすすめします。

ここからは、交通事故でケガをした場合に請求できる入通院慰謝料が、3基準ごとにどのように計算されるのか見ていきましょう。

自賠責基準で入通院慰謝料を計算

自賠責基準の入通院慰謝料は、1日あたり4300円の日額が定められています。4300円に対して「治療期間」または「入院日数+実際に通院した日数の2倍」をかけて、計算結果が少ない方が採用されます。

自賠責基準の計算式

  1. 4300円 × 治療期間
  2. 4300円 × (入院日数 + 実際に通院した日数の2倍)
    ※慰謝料の対象となる日数は、被害者の傷害の態様、実治療日数その他を勘案して決まります。

※2020年3月31日までに発生した事故なら4200円で計算

例|骨折で30日間入院した後、90日間通院した(実際に通院した日数は25日)

治療期間は入院30日間と通院90日間の合計で120日で、実際に通院した25日の2倍は50日になります。これをそれぞれの計算式にあてはめてみます。

  1. 4300円×120日=51.6万円
  2. 4300円×(30日+25日の2倍)=34.4万円

計算結果が少ない34.4万円が自賠責基準では採用されます。

任意保険基準で入通院慰謝料を計算

任意保険基準の入通院慰謝料は、入院と通院でかかった期間に対して、ひと月ごとに金額が定められています。任意保険基準は保険会社が独自で有するものなので具体的な金額を知ることはできませんが、ここでは保険会社がかつて共通で使用していた旧統一任意保険基準を紹介します。

旧任意保険支払基準による入通院慰謝料
旧任意保険支払基準による入通院慰謝料

表の1月や2月はひと月を30日間で表しており、よこ列が入院月数たて列が通院月数になっています。

30日間の入院のみがあったなら、よこ列1月の25.2万円が入通院慰謝料の金額になります。

30日間の入院と60日間の通院があったなら、よこ列1月とたて列2月が交差する箇所の50.4万円が入通院慰謝料の金額になります。

弁護士基準で入通院慰謝料を計算

弁護士基準の入通院慰謝料は、入院と通院でかかった期間に対して、ひと月ごとに金額が定められています。日弁連交通事故相談センター東京支部発行の「民事交通事故訴訟 損害賠償額算定基準」に弁護士基準がまとめて掲載されており、赤い本と呼ばれています。赤い本では、軽傷用と重傷用で入通院慰謝料の算定表が分かれています。

  • 軽傷用:軽い打撲、軽い挫創、他覚所見がないむちうち等
  • 重傷用:脳損傷、骨折等

ここでは、手術で入院した方を想定していますので、重傷用の算定表を紹介します。

重傷の慰謝料算定表
重傷の慰謝料算定表

表の1月や2月はひと月を30日間で表しており、よこ列が入院月数たて列が通院月数になっています。

30日間の入院のみがあったなら、よこ列1月の53万円が入通院慰謝料の金額になります。

30日間の入院と60日間の通院があったなら、よこ列1月とたて列2月が交差する箇所の98万円が入通院慰謝料の金額になります。

入通院慰謝料についてさらに詳しくはこちらの記事『入通院慰謝料の相場金額は?計算方法と適正額獲得のポイント』もあわせてご覧ください。

比較で一目瞭然|基準ごとの差を知ろう

3基準ごとに計算方法の違いがわかりましたが、どのくらい金額に差が出るのかイメージが付きにくいと思います。ここでは3基準の比較表をみながら、基準ごとの金額差を確認してみましょう。

入院のみ1月~6月あった場合を例に、入通院慰謝料を比較しています。

入院における入院慰謝料の3基準比較(万円)

入院月数自賠責任意保険弁護士
1月12.925.253
2月25.850.4101
3月38.775.6145
4月51.695.8184
5月64.5113.4217
6月77.4128.5244

※自賠責基準は、月のうち半分以上の通院を想定して日額4300円で計算 ※弁護士基準は、重傷用の金額

比較表を見れば、基準ごとの慰謝料額の違いは一目瞭然です。

金額が最も低くなる自賠責基準と金額が最も高くなる弁護士基準では、3~4倍程度の開きがあることがわかります。

ポイント

慰謝料を算定する基準は、自賠責基準・任意保険基準・弁護士基準の3つあり、それぞれ慰謝料の求め方が異なります。自賠責基準は計算式で、任意保険基準と弁護士基準はそれぞれの基準がもつ算定表を用いて慰謝料を計算します。3基準のうち、最も高額な慰謝料になるのは弁護士基準による算定です。

適切な慰謝料を受け取るための治療に関するポイント

交通事故のケガで入院を終えられた方は、通院によって治療が続くことになるでしょう。通院を続けて適切な慰謝料を受け取るにあたって注意しておきたいポイントをいくつか解説します。ひとつずつ見ていきましょう。

医師作成による診断書を警察に提出する

交通事故のケガで治療を受けたら、病院で診断書を発行してもらえます。診断書を警察に提出することで、交通事故が人身事故として処理されます。物損事故として処理されてしまうと、ケガをしたことで請求できるはずの慰謝料等が請求できなくなる可能性があります。

交通事故の当日は、事故の衝撃で興奮してケガに気づかないこともよく見られます。時間が経過してから急に痛み出し、病院に行ったら骨折していたということもあります。

事故にあったら速やかに病院を受診し、診断書をもらうようにしましょう。(関連記事:『事故であとから痛みが出た…受診・人身事故への切り替え』)

適切な頻度の治療を継続する

無事、入院生活を終えて退院することになっても、ケガの状況によっては通院を継続しなければならないこともあるでしょう。通院は医師と相談のうえ、適切な頻度で治療を継続するようにしてください。

だんだん回復してくると、痛みも取れてきて通院がめんどうになって通院を疎かにしてしまう方がいます。また、退院後は仕事に復帰し、治療と仕事の両立がむずかしくなって通院を後回しにしてしまう方もいるようです。

しかし、どんな理由があろうと、ケガの状況に見合った治療を継続するようにしてください。慰謝料は治療期間で算定されることになるので、通院していないと算定できる日数としてカウントされなくなってしまったり、減額の理由になったりします。

なにより、順調に回復していたのに治療を怠ることで、ケガの完治が遅れたり、悪化したりしてしまいかねません。最悪の場合は、治ったはずなのに治療を疎かにしたことで後遺症が残ってしまうこともあります。

適切な頻度の治療を継続するようにしましょう。

医師による完治・症状固定の判断が出るまで治療する

通院をある程度つづけていると、保険会社から「そろそろ症状固定の時期なので治療費を打ち切らせていただきます」といった内容の通知が来ることがあります。このような保険会社からの通知が来ても安易に承諾はせずに、医師が完治または症状固定と判断するまで治療を継続するようにしてください。

完治も症状固定もしていないのに治療を中止してしまうと、本来であれば請求できた慰謝料を適切に請求できなくなってしまう恐れがあります。

保険会社からの通知は打診にすぎません。保険会社が症状固定の時期を決める権利はありません。治療による効果を感じているのならその旨を保険会社に伝えて、治療を継続する意思を伝えましょう。(関連記事:『交通事故による治療の通院はいつまで?』)

それでも保険会社が治療費を打ち切る姿勢を崩さないようであれば、治療が必要な旨を記載した診断書を医師に作成してもらい、保険会社に提出してみましょう。

ポイント

適切な慰謝料を受け取るための治療のポイントとしてはまず、医師が作成した診断書を警察に提出して人身事故として処理されるようにしましょう。治療の頻度は医師と相談のうえ適切に継続するようにしてください。保険会社が症状固定といってきても、正式に症状固定と決まったわけではないので、医師による判断がでるまで治療を継続しましょう。

入院や手術で治療を受けても完治しないなら後遺障害申請

入院や手術等、適切な治療を受けてもケガが完治せず、後遺症が残ってしまうケースもあります。後遺症が残ったら適切な慰謝料がもらえるように、後遺障害等級の認定を受けましょう。

後遺障害認定で得られるお金

後遺障害が認定されたら、等級に応じた「後遺障害慰謝料」を請求することができます。障害が重い方から1級~14級まで14種類の等級で分類されており、後遺障害慰謝料の金額は弁護士基準で110万円~2800万円になります。

また、後遺障害が残ったことで将来的に得られるはずだった収入の喪失または減額が予想されます。このような将来の収入に対する補償として「逸失利益」を請求することができます。逸失利益は、事故前の収入や平均年収と後遺障害によって失った労働能力等から割り出されます。

後遺障害認定で得られるお金

慰謝料以外に請求できる内訳を知ろう

後遺障害が認定されたら後遺障害部分についての損害賠償だけでなく、ケガをしたことに対する傷害部分の損害賠償も請求することができますし、車が壊れたりしたらその修理費用も請求が可能です。

ここで、交通事故の損害賠償問題で請求できる項目の内訳を整理しておきましょう。

内訳
傷害部分治療関係費
通院交通費
入通院慰謝料
休業損害 等
後遺障害部分※後遺障害慰謝料
逸失利益 等
物損部分修理費用 等

※後遺障害等級の認定で請求が可能

交通事故で請求できる損害賠償は、傷害部分・後遺障害部分・物損部分に大きく分けて請求することになります。傷害部分・後遺障害部分は人身部分として扱われ、保険会社の担当者は人身部分と物損部分で分かれるケースが多いので注意が必要です。

交通事故で自分はどんな被害を受けて、事故の相手側に請求できるものはどのようなものがあるのか知ることが大切です。示談が成立してからこんな被害もあったと主張しても原則的に請求は認められません。請求漏れのないように、しっかり確認しておきましょう。

後遺障害の申請は被害者請求で行う

後遺障害は申請を行うと、第三者機関の審査によって後遺障害の有無・後遺障害の等級が決められます。申請したら必ず後遺障害に認定される訳ではありません。

後遺障害の申請方法は、事前認定と被害者請求という2種類の方法があるのですが、適切な等級認定の可能性を最大限に高めるためには被害者請求の方法を選びましょう。

被害者請求の流れ

被害者請求は、被害者ご自身で後遺障害の申請に必要な書類を集める必要があり、手間がかかります。しかし、後遺症の症状をより詳しく説明できる医学的資料を追加で提出することができます。事前認定では、このような医学的資料を追加で提出することができません。

後遺障害の認定審査は一部例外を除いて、原則的に書類のみで行われます。書類の内容だけで症状の程度を伝えなければなりません。医学的資料を追加で提出することで、症状をより具体的に第三者機関に伝えることができます。

被害者請求を選んだ方がいいとはいえ、申請に必要な資料をご自分だけで揃えるのは不安だと思います。仕事や家事で忙しいという方は、資料集めは負担になることでしょう。

このような場合は、後遺障害の申請を弁護士に一任してしまうことをおすすめします。弁護士に依頼いただければ、あなたの代わりに資料の収集、申請手続きを請け負います。(関連記事:『交通事故で被害者請求はすべき?手続きの方法や必要書類』)

ポイント

後遺症が残ったら、後遺障害に認定されることで後遺障害慰謝料・逸失利益を請求することができるようになります。この損害以外にも、交通事故で被害を受けたら傷害部分や物損部分の請求も可能なので、漏れのないように請求することが大切です。適切な等級で後遺障害が認定される可能性を高めるために、被害者請求の方法で後遺障害申請を行いましょう。

適正額の慰謝料請求は弁護士にお任せ

弁護士なら慰謝料の増額事由を立証しやすい

入院や手術をした場合の慰謝料は基本的に治療期間で算定され、重傷事例や個別の事情に応じて慰謝料が増額になる可能性があります。

この慰謝料増額が認められるには、重傷事例であることや個別の事情があることを主張し、その主張と交通事故に因果関係があることを立証しなければなりません。単純に「こんなに痛い思いをしたのだから増額してほしい」と主張したところで、保険会社は聞く耳を持たないでしょう。

増額交渉(弁護士なし)

弁護士という法律の専門家であれば、主張する内容が増額事由に該当する理由を法律の解釈にのっとって保険会社に説明することができます。お一人で保険会社とのやり取りに不安がある方は、弁護士によるサポートを受けながら対応していくことをおすすめします。

増額交渉(弁護士あり)

慰謝料の増額実績|弁護士相談すべき事案

どうせ自分のケースでは慰謝料が増額することはないだろうな、と諦めていませんか?

弁護士が介入することで、慰謝料が増額する事例はたくさんあります。アトム法律事務所の弁護士が介入したことで、増額が実現したケースを紹介します。

交通事故被害者の方に選ばれ続けた実績
アトムを選んだお客様の声
交通事故被害者の方に選ばれ続けた実績
アトムを選んだお客様の声

ご自身で増額しないと判断するのではなく、弁護士に増額の可能性があるかどうか確認することが大切です。

  • 交通事故のケガで入院・手術された方
  • 後遺障害の認定結果が出ている方 等

このような方は特に、保険会社が提示してきた金額よりも増額する可能性が高いです。入院や手術がない軽傷ケースでも増額する可能性は十分にあります。

アトム法律事務所では、弁護士による無料相談を実施中です。ご自身のケースでは増額の可能性があるか、気軽に質問ください。

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法律相談の受付は、専属スタッフが24時間365日いつでも対応中です。日中のお仕事が終わってからでも、休憩時間でも、ご自身のライフスタイルに合わせてご利用いただけます。

費用の不安は弁護士費用特約を使って解消

弁護士に依頼することになったら、弁護士費用が高くついてしまうのでは?

このような費用に関する不安をお持ちの方は、まずご自身が加入する自動車保険に弁護士費用特約が付いているかどうかご確認ください。

弁護士費用特約を利用すれば、一部例外はあるものの、300万円を上限として弁護士費用の自己負担なしに弁護士を委任することができます。

弁護士費用特約とは

弁護士費用特約を使っても、保険料が翌年から値上がりしたり、等級が下がったりすることもありません。

被害者自身が加入する保険に弁護士特約が付いていなくても、家族に加入者がいれば使える場合もあります。ご自身の周りの方の加入状況も含めてご確認ください。(関連記事:『交通事故の弁護士費用相場・弁護士費用特約』)

まとめ

  • 入院や手術の有無ではなく治療期間で慰謝料の金額は原則として決まる
  • ケガの部位や程度、生死が危ぶまれた・手術で極度の苦痛を受けた等の個別の事情がある場合は慰謝料の増額事由にあたる
  • 慰謝料を算定する基準は3つあり、最も高い慰謝料が得られるのは弁護士基準による算定
  • 治療を続けても完治しなければ、被害者請求による後遺障害申請を行う
  • 慰謝料増額を実現するには、弁護士に相談してサポートを受けながら対応する

監修者


アトム法律事務所

代表弁護士岡野武志

詳しくはこちら

高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。弁護士法人を全国展開、法人グループとしてIT企業を創業・経営を行う。
現在は「刑事事件」「交通事故」「事故慰謝料」などの弁護活動を行う傍ら、社会派YouTuberとしてニュースやトピックを弁護士視点で配信している。

保有資格

士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士

学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了

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